椎間板ヘルニアでお悩みの方へ 前編
日常生活にも支障をきたすヘルニアの症状
椎間板ヘルニアでは、慢性的な首・肩・腰の痛みとは異なる、腕や臀部、足への痛みなどの症状があります。
手足のしびれなどの症状が現れる場合もあり、
手を使う細かい作業や、歩行に障害が出るケースもあるのです。
日常生活における些細な動作にも支障をきたすようになる可能性があるため、
ヘルニアは早期に対処することが大切です。
腰椎椎間板ヘルニアが起こる原因と症状
日本人の3人に1人は腰痛に悩んでいると言われているほど、多くの方が腰痛に悩まされています。
そして、その腰痛の原因の1つとして挙げられるのが「腰椎椎間板ヘルニア」です。
腰は上半身を支えながら、下半身とのバランスを取る重要な役割を果たし、負荷がかかりやすい部位です。
そのため、ヘルニアなどの腰痛を引き起こしやすくなっているのです。
【ヘルニアの原因】
ヘルニアは、通常であれば椎骨と椎骨の間にある椎間板内の組織が、何らかの原因で外側に飛び出してしまっている状態のことを言います。
飛び出してしまった椎間板が神経を圧迫し、痛みやしびれといった症状を引き起こしています。
ヘルニアが起こる原因は、遺伝による体質や骨格が原因で起こる場合もありますが、多くは日常生活に原因があります。
日常生活においてヘルニアが起こる原因は、「姿勢の悪さ」や「老化」、「ストレス」などが考えられます。
●姿勢の悪さ
日常での動作の癖や姿勢の悪さは、腰へ大きな負荷を与えることになります。
猫背姿勢や足を組む癖、片側に重心をかけて立つなどといった小さな動作や姿勢が積み重なり、身体はゆがみを蓄積させていきます。
ゆがみが蓄積されていく中で、腰には日々負荷が与えられていきます。
そうすると、椎間板は変性を起こしてしまい、重い物を持ち上げたり、身体を捻ったりした拍子にヘルニアを起こしてしまいます。
同じ姿勢を長時間続けるデスクワークも腰への負荷が大きく、ヘルニアの原因になります。
●老化
加齢によって椎間板も老化するため、ヘルニアを起こしやすくなります。
腰への負荷が年齢と共に蓄積され、椎間板も徐々に変性してしまい、ある時突然ヘルニアが発症するのです。
ですが、腰椎ヘルニアが発症する好発年齢は20~40歳代で、男女比は2~3:1で男性に多いと言われています。
そのため、重量物を持ち上げる、車の運転が多いなど、職業職種も原因の1つと考えられています。
●ストレス
ヘルニアの症状の出方には個人差がありますが、痛みには心理的ストレスが関係している可能性もあります。ドーパミンが脳内物質として分泌されることで、痛みがコントロールされる仕組みになっています。
しかし、ストレスがあることで脳内バランスが崩れてしまい、ドーパミンが減るため痛みが強く感じられると言われているのです。
また、ストレスは血流を悪くするため、筋肉を硬くしてしまいます。
硬くなった筋肉が椎間板に影響し、変性を起こしている可能性も考えられます。
【腰椎ヘルニアの症状】
腰椎ヘルニアの症状は、腰痛、臀部痛、太股から下肢への痛みやしびれで、坐骨神経痛を伴うものが主な症状です。
他には足の感覚が鈍くなったり、足に力が入りにくくなったりします。
ひどい場合にはしびれによる歩行困難や、排尿・排便障害なども併発し、手術の適応となる場合もあるため、特に注意が必要です。