腰痛と向き合うはじめの一歩 後編
さまざまな腰痛の症状
一言で腰痛と言ってもさまざまなタイプの腰痛があります。
分かりやすく腰痛のタイプを説明していきたいと思います。
【筋・筋膜性腰痛】
筋肉が疲労し老廃物が貯まって症状が出る筋・筋膜性の腰痛です。
◇お悩み例
・仕事や運動の後に腰痛が出る
・疲れてくると痛む
・前屈(前かがみ姿勢)すると引っ張られるように腰が痛む
【椎間板症】
腰の中心(腰椎と骨盤の付け根辺り)に痛みが好発し、朝起床時に痛みが起こったり椅子から立ちあがるとき(上半身の体重がかかった時)に痛みが出やすいです。
◇お悩み例
・腰が痛くてうつ伏せや仰向けで寝れない
・椅子や床に座っていて立ち上がるときに腰の中心部分が痛む
・朝、起きがけに腰が痛む
・腰を後ろに反らすと痛みが出る
【仙腸関節炎】
仙腸関節とは骨盤の後側、仙骨と腸骨をつなげてる関節です。
妊娠時や特に出産後に痛みが起きやすい腰痛です。出産後、骨盤にベルトや晒を巻くのはこの仙腸関節を閉める(安定させる)ために巻いたりします。
◇お悩み例
・歩き出しや移動時など足を挙げた時に骨盤の後側にピキッとした痛みがある
・体重がかかると骨盤の後側に痛みが起こる
・妊娠中、骨盤が痛む
・出産後、骨盤に不安定感や痛みが起こった
【骨盤のゆがみから起こる腰痛】
骨盤がゆがむことにより、どちらかの腰に負荷がかかりやすく腰痛が出やすい状態になっています。
人間の身体を建物に例えると土台は骨盤、柱は脊柱となります。建物の土台が傾くと柱も傾いていきます。
人間の身体も同じで、骨盤がゆがむと脊柱(背骨)も曲がっていきます。
そのために肩や腰骨の高さが違ったり、足の長さが非対称になることがあり、バランスが悪くなるため腰痛が出やすくなるのです。
◇お悩み例
・腰の右側、あるいは左側にいつも腰痛が出る
・椅子に座ってるだけで右の腰あるいは左の腰が痛くなる
・腰痛が起こりやすく、自分の身体で、腰骨の高さが違う・足の長さが違う・肩の高さが違うなど、気になっている
【椎間板ヘルニア】
ヘルニアのブログをご参考ください。
【腰椎分離症・すべり症】
腰椎分離症とは学童期、思春期に発生することの多い関節突起間部の疲労骨折でスポーツ活動との関連があると言われています。
腰を後ろに反らせる(後屈)・腰を捻る(回旋)運動に起こりやすいです。
すべり症は腰椎分離すべり症とも言い、分離症の発生に引き続いて起こる椎体の前方すべりです。
疲労骨折をしている為、腰椎の連結機能が働かなくなり腰椎の四角い部分(椎体)がお腹側に滑ってくることを意味します。
この場合、将来的に変形性腰椎症や脊柱管狭窄症に移行しやすく、下肢の神経痛の原因にもなります。
◇お悩み例
・時々、腰が抜けるような感じがする
・部活中、運動中に腰痛や臀部痛が起きる
・腰を後ろに反らすと腰痛が出る
【脊柱管狭窄症・変形性腰椎症】
加齢と共に起こる腰椎の変形が関係しており、神経を圧迫することにより高頻度で神経痛が発症します。
神経痛を発症すると、お尻から太もも、ふくらはぎの方まで痛みや痺れを引き起こし寝てても痛いなどつらい症状を引き起こします。
◇お悩み例
・年配の方々に起こることが多い
・腰や背中が丸くなってきて腰痛がたびたび起こる
・しばらく歩くと足が痛くなったり痺れてきたりする
*腰痛について上記に記してみましたが勿論これがすべてではありません。
骨の病気や内臓疾患、感染症などからも腰痛は起こり得るのでとても注意が必要です。(専門医の判断が必要です)
最新の腰痛の研究では脳・メンタルが関係していると言われています。
上記で記した腰痛の予防・改善を目指すには、患者さんお一人お一人が腰痛に対して意識することが必要です。
腰痛の出にくい身体づくり(ストレッチ・筋トレ・運動など)または日常生活動作、姿勢の改善など個人個人の意識改革が必要不可欠です。
当院では、腰痛に特化したさまざまな施術法の他、腰痛の出にくい身体づくりに関してもアドバイスさせていただきます。
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